「資本ギャップ」が共同投資の機会をもたらす理由

プライベート・エクイティ市場において伝統的な資金源が枯渇する中、共同投資の重要性が高まっている背景を説明します。

2023年12月19日
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著者

Jeremy Knox
Senior Investment Director, Private Equity

プライベート・エクイティの共同投資は連携が重視される戦略です。投資家は、プライベート・エクイティのスポンサー(GP)とともに、特定の取引に直接参加します。この連携の深さが、共同投資戦略のユニークな点であり、投資環境が以前にもまして厳しくなるにつれ、共同投資戦略に魅力を感じる投資家が増えています。

ここでは、いくつかの主要な市場トレンドと差し迫った資金需要が、投資家のツールキットの構成要素としての、共同投資の利用価値をどのように高めているかを説明します。

マクロシフトがチャンスをもたらす

プライベート・エクイティ市場もマクロ要因の影響を受けないわけではありません。ここ数年、プライベート・エクイティ市場は一連の変革的なシフトを経験しました。

金利の上昇、M&A活動の鈍化、プライベート・エクイティの資金調達ペースの変化が特に大きな影響を及ぼしています。このような動きが市場を席巻するにつれて、「資本ギャップ」が形成され、投資家が注目すべき投資機会をもたらすと私たちは考えています。

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資本ギャップを埋める

資本ギャップは多くのプライベート・エクイティ取引で生じていますが、特にレバレッジド・バイアウト(LBO)で顕著にみられています。

これは、負債の利用可能額が減少した結果です。銀行は融資市場から撤退し、多くのプライベート・クレジット・プロバイダーが取引で提供するレバレッジの絶対額および相対額(通常、負債/EBITDA倍率として測定)は減少しています。こうしたレバレッジ市場の縮小は、過去18か月間の金利の急速な上昇と重なっており、取引における高レバレッジの魅力を低下させています。その結果、取引額に占めるエクイティ出資の割合が、2023年に大幅に上昇しています。

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プライベート・エクイティ・ファンドの資金調達において、エクイティ出資の増加という背景を考慮することは重要です。プライベート・エクイティ・ファンドのスポンサーは、以前とは大きく異なる資金調達環境の中で活動しており、多くの案件を成立させることは困難になっています。

エクイティニーズの高まり、魅力的でない/利用しにくいデットファイナンス、資金調達の遅れが重なり、資本構造に空白が生じています。そこで、従来の資本供給源では不足する必要な資本を提供するために、共同投資がニッチな役割を果たすようになりました。

このギャップは、以下の2つの異なるシナリオで説明されます。1つ目は、レバレッジがより利用され、資金調達の勢いが前向きで、より「正常な」市場では、プライベート・エクイティ・スポンサーのファンドから得られるエクイティ部分がより多くなります。2番目の図は、現在の市場環境を反映したもので、現在の環境において共同投資が果たしている役割のスナップショットです。

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共同投資は資本構造における重要なニーズを満たすことができますが、共同投資の成功は依然として多くの要因に左右されます。取引へのアクセスを確保し、ポジティブな結果を得るためには、共同投資家は以下の主要な資質を実証できる必要があります。

実行の確実性とスピード

共同投資家は、競争市場において確実性と迅速な取引執行を提供することで差別化を図っています。これは、特に一刻を争う取引において、評価される特性です。

業界と市場の知識

業界の専門知識と深い市場知識を持つ共同投資家は、高い需要があります。取引のニュアンスを素早く把握する能力は、大きな変化をもたらす可能性があります。

ESGへの関心の高まり

LPは、共同投資パートナーに対し、投資プロセス、クロージング後のモニタリング、付加価値にESG要素を組み込むことをますます要求しています。

共同投資ファンド/外部委託プロバイダーの利用の増加

共同投資ファンドは、アロケーターや投資家が共同投資の機会に効率的に投資する方法として、ますます人気が高まっています。これらのプラットフォームは、LPに多様な共同投資先へのアクセスを提供し、フィー効率の高い方法で共同投資プロセスを合理化するのに役立ちます。

資本ギャップは今後も続くトレンドであり、プライベート・エクイティの共同投資を形成し続けると考えます。一方で、投資家はこうした戦略のリスクとリターンについて理解を深め、適切なパートナーと協力して、日々進化する環境をうまく乗り切ることが肝要です。

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